NURO光や10G回線のルーターから複数のPCに繋ぐ2.5GbEスイッチングハブを調査
最近NURO光が10G回線のCMを多数うっているように、ネット回線も10Gbpsの時代となりました。
PCにも高価なマザーボードには標準で10GbEが搭載されています。
主の家はまだ2G回線のまま。使用しているパソコンが2.5GのLANなので10G回線にする予定は今のところありません。
しかしながらNUROから貸し出される2.5GbE対応のNSD-G1000Tのように一般家庭向けONUは2.5GbEポートが1つしかないため、複数のパソコンに有線接続を行う場合、スイッチングハブが必要になってきます。
しかしこのスイッチングハブ、24時間365日稼働する機器なので、いろいろと問題も起こります。
1GbE時代はNETGEAR製で信頼性の高いBroadcomチップが搭載されて金属筐体の4ポート品が1500円程で買えたので選ぶのも楽なものでした。
今回は当時の情報をブラッシュアップするために現在のスイッチングハブ事情を調べていきたいと思います。
選択する基準は?
- ノイズを防いだり放熱性のために金属筐体の物を選ぶ。
- 電源内蔵の物が好ましいが、一般家庭ならACアダプタで問題ない。PoE給電は不要。
- 信頼性のあるチップを使用したものを選ぶ。
- ポート数は好きにする。
筐体と電源はスペックを見れば一目瞭然ですが、使用しているチップはなかなか情報がなかったりします。
1GbE時代はRealtek(通称蟹)を避けてBroadcomのチップが好まれていました。
しかし時代は変わり今ではRealtekのチップが電力効率も安定性も良く、かつ安価で信頼されているようです。確かにマザーボードに使用されているNICに関してもIntel製がパケットロスや通信切断の問題を抱えていてRealtekのほうが安定していたりしますね。家庭用には十分でしょう。
2.5GbEスイッチングハブ
昔の知識では信じられないプラネックスと蟹の組み合わせが定番になっていてびっくりしました・・・
2.5GbEであればRealtekの低消費電力チップがあり、発熱も抑えられ、かつ安価。
最近のマザーボードであれば2.5GbEポートは標準装備されています。
うちもこの環境です。
NURO回線のONUが2.5GbE。
10Gbpsのインターネット回線の場合でも、実用上の速度を考えると2.5Gで十分な気もします。
PLANEX FX2G-05EM
- RJ-45ポート×5
- ファンレス
- パケットバッファ 1.5MBytes
- ジャンボフレーム 最大12KBytes
- 金属筐体
- ACアダプター
- 消費電力 最大8.6W
- 1年保証
昔のPLANEXの微妙なイメージを持ってる方もおられると思いますが、そのイメージを覆すほどよく作られていて安定して安価なようです。ヒートシンクはSoC、PHYに備えられ、両面から冷やす設計になっています。
SoC、PHY詳細は見つけられませんでしたが、消費電力や価格的におそらくRealtek RTL8371+RTL8221Bあたりの組み合わせではないかと思います。
IODATA ETQG-ESH05
- RJ-45ポート×5
- ファンレス
- パケットバッファ 1.5MBytes(12Mbit)
- ジャンボフレーム 最大12KBytes
- 金属筐体
- ACアダプター
- 消費電力 最大11W
- 3年保証
筐体形状や内部基盤を見てもプラネックスと同じなのでOEMという事でしょう。
ブランドイメージやデザインで選んで問題ないと思いますが、プラネックスより保証期間が2年長いのはメリットです。あと若干ですが安いです。
ASUSTOR ASW205T
ASUSの子会社ネットワーク機器部門ASUSTORのスイッチングハブです。
- RJ-45ポート×5
- ファンレス
- パケットバッファ 512KBytes(4.1Mbit)
- ジャンボフレーム 最大12KBytes
- 金属筐体
- ACアダプター
- 消費電力 最大10W
- 2年保証
ASUSの関連会社という事で安心感がありますが、デザインがゲーミング調になっていて好みの別れるところではあります。また価格が5000円ほど高いです。
プラネックス、アイ・オー・データと基本的に似たような性能ですが、パケットバッファが公称値4.1Mbitとやや少なくなっています。通常使用では問題ないと思います。
また唯一内部のSoCを公表している製品でもあります。
Realtek RTL8731とメーカーサイトに記載されていますが、RTL8371の間違いですね。
電解コンデンサが電源部に1個とほぼ積セラでまかなっているところも面白いです。
熱でやられるとしたらこの電源部の電解でしょう。1個なので交換は楽です。
10GbEスイッチングハブを使いたい場合
今回は一般家庭での使用なのでRJ45コネクタで使用できるものに限定します。
TP-Link TL-SX105(5ポート)
一般家庭用の価格帯(3万円以下程度)で複数台に分岐できるポート数を持った10GbEスイッチングハブは、現状TP-Link TL-SX105しか選択肢がありません。ファンレスなので居室でも○。
しかし10GbEのチップは発熱がすごいのでファンレスでの使用は熱暴走など安定性に欠けるように思います。
筐体を分解し独自にヒートシンクを増設するなどDIYにて対策してる方もおられます。
また消費電力はアイドル時で10W程度、通信時は最大20W程度になります。なかなかの電力食いです。
NETGEAR XS505M-100AJS(4+1ポート)
前述のTL-SX105と比較して実に2倍の6万円で、居室で常時使用するには耳障りな冷却ファンが付いています。
機能的にはSFP+ポートがあるくらいで、前述のTP-Linkと大差はありません。
米NETGEARは円安の影響により、製品原価や物流のコストが高騰しているという理由で20%~100%の値上げを実施しています。ただ過去にも値上げを繰り返してきた点と、競合製品の価格を見る限り、NETGEARは格安高性能という路線を脱却したいように見えます。
まだ10GbEスイッチングハブはおすすめできない
というわけで消費電力やチップの発熱による安定性の懸念、冷却ファンの騒音、価格の観点から、一般家庭での使用はまだおすすめできないように思います。
10G回線をどうしても今すぐ最大活用したいという方以外はやめておいたほうがいいでしょう。
LANケーブルはカテゴリー6Aを選ぼう
使用するLANケーブルを用意する場合はカテゴリー6a(CAT6a)のものを選びます。
2.5Gbpsは勿論、10Gbpsまで対応できます。
カテゴリー5e(CAT5e)のケーブル(まともなやつ)を使用している方は2.5GbEであればそのままで問題ないです。
カテゴリー7以上のものはアース等が必要だったり、基準を満たしていないものが多いのでふれないほうが良いです。
私は個人宅で接続距離も短いのでスリムケーブルのCAT6aを使っています。
結論
今回リサーチした結果、昔ほどの当たり外れが少なく、日本の会社が販売している機器が頑張っているのを見て少しうれしくなりました。
てっきりNETGEARやTP-Linkの台頭で虫の息なのかと思っていましたが、2.5GbEスイッチングハブではそうでもないようです。
個人的には背面のデザインがシンプルなのでPLANEX FX2G-05EMを選ぼうかと思っています。
LANケーブルやACアダプターを差し込んだ部分、まぶしいLEDインジケータを見えないように設置するためです。
保証重視の方にはIOデータの3年保証も魅力だと思います。
まさかNETGEAR、QNAP、TP-Linkが話題にあがらないなんて思ってもいませんでした。