尖りに尖った最強のゲーミング配信環境への第一歩【ゲーミングじゃないデバイスのすすめ】
AG03など、通常のオーディオインターフェイスからのステップアップ、特にマイクの音質にこだわった環境を考えてみました。
またゲーミングデバイスは価格のわりに性能がそこまでよくないため、ゲーミングと名のついたデバイスを使わずに構成してます。ブランドによる上乗せ価格を排除するために中華オーディオ製品を採用しています。
マイク入力にADコンバータを利用する
E1da Cosmos ADC ADコンバータ
通常オーディオインターフェイスをパソコンに接続してマイクとヘッドホンを繋ぐと思います。
マイクの音声はオーディオインターフェイスで増幅されてパソコンに入力されますが、ここのクオリティを最大限に上げるとなると下記リンクの20万円以上するオーディオインターフェイスが必要です。
そこでE1da CosmosADCという優秀な中華ADコンバータを利用することで入力品質を高めつつ安価に抑えることにしました。
これは人間が聴ける音声をパソコン用のデジタル信号に変換する機器です。
CosmosADCは、スペックだけで比較した場合、ESS社ES9822QPROというADコンバータICチップを採用し、最大限に性能を引き出しているため、現存するどのオーディオインターフェイスよりも低ノイズで入力することができます。中華製品なので多少不安でしたが、海外サイトでもまともな測定値が出ているので大丈夫でしょう。ただし、ドライバーの安定性に不安があります。(随時情報を収集しています)
CosmosADCでアナログレコードの音源をリッピングした動画です。
Cosmos ADCにはループバック機能がないので、別途VoiceMeeter Bananaで設定する必要があります。
どうしてもハードウェアでのループバックが必要な方は、ここをループバック対応オーディオインターフェイスに置き換えても良いですが、CosmosADCと同等の入力変換を求めると20万クラスのインターフェイスになってきます。
Cosmos ADCはアリエクスプレスで安く購入できます。
製造の個体差を選別して、よりノイズを少なく入力できるものほど高くなっていますが、通常品、少し良い選別品であれば2万円で購入できます。
https://ja.aliexpress.com/item/1005003391728199.html
WARM AUDIO WA73-EQ マイクプリアンプ
Cosmos ADCはADコンバータの機能(アナログ信号をデジタル信号に変換する機能)しかないので、ここにマイクを繋いでも小さな音しか出ません。そこでマイクプリアンプを接続する必要があります。
通常のオーディオインターフェイスにもマイクプリアンプが内蔵されていますが、単体のマイクプリアンプはやはり別格です。ただし、近年オーディオインターフェイスのマイクプリアンプも進化しているので、3万円以下の安いマイクプリアンプを買うくらいならオーディオインターフェイス内蔵の物で十分だと思います。
マイクプリアンプの品質と金額はピンキリで、上を見るときりがないのでWARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA73-EQというものを選びました。
SHURE SM7B ダイナミックマイク
マイクは配信の定番、SHURE SM7Bを選択しましたが、歌配信などではもっと適したマイクがあると思いますので、ここは用途によって変更しましょう。
SM7Bは音量が小さいのでマイクプリのゲインが重要になってきます。ISA ONEであれば大丈夫でしょう。
ここまでで予算オーバーな場合
ここまでのADコンバータとプリアンプだけでも正直に言って結構高額です。
あくまでも僕が考えたシリーズ、完成形の第一歩としての提案なのでご了承ください。
その一歩手前として4万円以下で良いオーディオインターフェイスの紹介も別記事でしているので興味があれば目を通してみてください。
パソコンからの音声出力
Topping E50 DAC
オーディオインターフェイスがないので音を聞くためにPCから音を取り出す機器が必要です。
最悪オンボードサウンド出力に繋げば音は聞けますが、今回はクオリティを求めるので除外し、聴き専用のDAコンバータで取り出すことにします。
これはパソコンのデジタルデータを人間が聴くことができるアナログ信号に変換する機器です。
海外のサイトでも有名で、測定値も優秀なTopping E50を選択しました。
ESS社のES9068ASというDACチップを搭載しています。
ES9068ASはESSの名を広め一世風靡したES9018Sの正統進化版で、据置機用のフラッグシップES9038PROと肩を並べるといっても良いのではないかと思っています。
ちなみにですが、20万クラスのRME製品に使われているDACはES9028Q2Mなので、スペック上では中華DACのほうが圧倒的に上です。
ゲーミングDACと同等の機能を使えるようにする
ゲームをする際ここにゲーミングDACが使われる事が多いですが、個人的にゲーミングDACは不要と思ってます。
使用されているDACチップが安くて性能が良くないものがほとんどです。
最近発売されたSteel Series Arctis Nova Proに付属されているGaming Dac 2にようやくESS社の廉価版チップES9218PQが搭載されたほどです。
もちろんゲーミングDACアンプとは違うのでイコライザー機能やスカウトモード、サラウンド機能やボイスチャットミックス機能などはありません。
イコライザー
ですが、イコライジングはEqualizerAPOというフリーソフトを使えば同等以上の機能を使えます。
ボイスチャットの音量変更
Discordの音量変更もVolume2というフリーソフトでキーボード等から可能です。
このソフトめちゃくちゃ便利です。
音量変更の項目をDiscord.exeに変更します。
音量変化率は0-100までの音量を何分割で変化させるかです。主は6分割にして0,17,33,50…みたいにしています。
友達とDiscordで話しているけどソロでFPSしていて、会話を小さくしたい時に便利です。
音量変化させるキーなどを設定して終わりです。簡単。
変更時の効果音もあるのでフルスクリーンでゲームをしていても問題なく変更、認識可能です。
サラウンド、立体音響
サラウンド、立体音響に関してもMicrosoft StoreからDTS Sound UnboundをダウンロードすればDTSヘッドホン:X 2.0を使えるようになるので解決します。
有料ですが、DTSヘッドホン対応のマザーボードや機材などを持っていればライセンスが付いてくるので無料で使えます。
これは2chの音源をサラウンドっぽく聴かせるものではなく、5.1ch(またはそれ以上)の音源を通常のイヤホンやヘッドホンで立体的に聞こえるようにする技術です。ゲームが5.1ch等に対応していないと意味がないので注意してください。2chをサラウンド風に聞かせる機能は特にFPSゲームでは使わない方がいいです。
ちなみにAPEX LEGENDSは5.1chで出力できるので、主はDTSの立体音響で遊んでいます。
Dolby Atmos for Headphonesという同じような機能の物もあります。
どちらとも試用期間があるので好みで変えてみると良いかもしれません。
Topping L50 ヘッドホンアンプ
Topping E50で取り出した信号を増幅する機器です。
こちらも海外のサイトで有名で、ノイズの少なさなどの測定値も最高レベルです。
中華DACやアンプは近年ものすごく進化していて、日本メーカーと違いモデルチェンジが早く、常に最新のパーツを採用するという特徴があります。
所有欲を満たすブランドなどはありませんが、スペック重視で実を取る人には非常におすすめできます。
beyerdynamics DT990PRO 開放型ヘッドホン
ヘッドホンこそピンキリ、好みの世界ですが、プロのFPSゲーマーの使用率の高いbeyerdynamicのDT990PROをとりあえずチョイスしました。ここはお好みで変えましょう。
今気になっているのはHIFIMAN Aryaという平面磁気駆動型のヘッドホンです。
平面磁気駆動型でFPSゲーム音声がどのように聞こえるか試してみたいのですが金額がなかなかのものです…
音声出力機器を省略する
前述したTopping E50とToppingL50はセットでの使用となりますが、一つにまとめた製品もあるので多少は簡易化できます。
またUSB接続ヘッドホンでも高音質なものがあるので、そちらを代用して機器の数を減らすのも良いでしょう。
Topping DX5 DACアンプ
このようになります。
海外のサイトでも有名で、測定値も優秀、Youtubeのレビューでも好評なTopping DX5を選択しました。
ESS社のES9068ASというDACチップを2基搭載しています。
SHURE AONIC5 USB&ワイヤレスヘッドホン
AONIC50は、アクティブノイズキャンセリング付き、ワイヤレスでもaptX Low Latency対応で低遅延なためゲームもできるし、USB接続、アナログ接続で遅延なしにもできるのでBOSE QC20の後継として個人的に興味があります。(QC20はどうやらディスコンのようなので…)
音質や着け心地などの評判もものすごくよいです。
特にノイズキャンセリングはゲーミングPCやエアコンのファン音を消してくれるので、足音が重要なFPSゲームではすごく助かります。
Shure SE215など、密閉性の高いカナル型でも騒音を聞こえなくすることができますが、デメリットとして自分の声がこもって反響するので喋りにくい、食べ物を噛む音が反響してうるさい事があります。
アクティブノイズキャンセリング対応機器の場合、こういった音もかなり低減されるので非常に快適。
まとめ
通常のオーディオインターフェイスを使わずADコンバータを用いたマイク入力の配信環境について説明してみました。
ADコンバータのドライバーが若干不安な事と、DTM向けではない事があげられますが、実現できればかなり高音質なマイク入力が可能だと思います。
音質追及だけではなく無難に安定性を取る選択も正しいので、そういう場合はオーディオインターフェイスを使いましょう。チャレンジして自分で何とかできる人にとっては面白い選択だと思います。